「ほっ」と。キャンペーン

「落ち」がつく

ランチミーティングをして、落語をきこうと約束をしていた昨日。
改札で待ち合わせたYさん。真っ青な顔をして近づいて来た。

「携帯がなくなってしまって…」

待ち合わせたのは大崎、無くしたのは池袋駅周辺。
まずは、大崎駅の駅員さんに相談。
続いて池袋のコインロッカーへ向かう。が、ない。
荷物をいったん取り出し、確認するも、ない。
コインロッカーの会社に電話するも、ない。
うーむ。
もし自分だったら…やっぱり駅の窓口とかに届けるだろうと
JR、私鉄、地下鉄、それぞれの窓口で尋ねるが、ない。

電話をすると、電源が切ってある様子。
誰かが拾ったことは推測できるが、そこから先の「仮定」はさまざまに「浮かぶ」。
本当に「浮かぶ」という言葉がぴったり。
その中から、一番高い可能性と、自分たちでできるところから
1つずつやって落としていく感じ。

落語は、以前インタビューさせてもらった落語家さんだったので
Yさんは、そちらに行ってくださいというが、たぶん行っても気になって落語どころではない。
携帯がないのだから、ここで離れたらYさんと連絡が取れなくなってしまう。
まさに、このままでは私の中で「落ち」がつかない。

駅関係は軒並みアウトだったので、とりあえず、電話を第三者に使われないようにしないと、
ということでドコモショップに向かった。
用あって上京していたYさん、落とした携帯は、修理中の自分の携帯に変わる「ドコモ管理品」。
状況もコンプレックスしている。
ドコモでは、まずは警察に行ってまず遺失物の届けを出してくるようにと言われる。

「交番なんてどこにあるんだろう…」というYさん
にわかに頭に交番の風景が浮かぶ、、、ということは私はどこかで見たはず。
と、思うと正面に交番が!!!!!
ドコモショップに来る道すがらに交番があったのを、無意識に覚えていたらしい。

中に入るYさん、天気もいいので外で待つことにすると
友達の私も中に入れてもらえることになった。折り畳みイスを大きな体のおまわりさんが
広げてくれた。ドキドキ。

みると4、5人いるおまわりさん、どなたも頑丈な体つき。
・・・剣道、ではないな…みなさん柔道ですか?(心で質問)。
池袋をずっと歩いていて、ずっとどこかにあった恐怖心。
日本なのに、いろんな言語が聞こえてくるし、ちょっとコワい感じの人が多い・・・。
ドコモショップでも、「いらっしゃいませ」という店員さんに、「支払いじゃ」という
あんちゃん登場で、デモ機をいじりながら、ドキドキしていた。

夜の池袋は、いろんなことが起きるんだろうなあ…。
その中に入って行かなきゃならないのだから、おまわりさん、やっぱり大きくないと…。
そんなことを思いながら、一人一人のおまわりさんを見ていた。

その間にも、応対してくれたおまわりさんとYさんは話しをしている。
が、なんとなく、おまわりさんの様子がおかしい。
何か思い浮かんでいるが、ちょっと待て、ちょっと待てと、自分を制している感じに見える。
Yさんが書類を書き終え、しっかり「ドコモ管理品」という言葉を見て、目がぱっちりした。
そして、ちょっと待ってください。と言ってどこぞに電話し、奥へ行かれた。

そして、次に現れた時には、Yさんの白い「ドコモ管理品」が
大きなおまわりさんの手に握られていた。

「よかったーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「誰かが届けてくれてたんだね」
感動する交番の私たち。

広い池袋の地下で、Yさんのもとを離れた携帯は、どこかの誰かに拾われて
「この」交番に届けられていた。
拾ってくれた方は、御礼も何にもいらないと行って、書類だけ書いて去って行ったそうだ。

「もし、何かその方に連絡されるようなことがあったら
 くれぐれも感謝していたとお伝えください」
おまわりさんに頭を下げて、私たちは交番を後にした。

「なんで私、交番に行かなかったんだろ?」
そういってYさんが、落語に行けなくなったことを何度も詫びたが
そもそも私が落語に誘ったからこの流れになったようにも思え、
私こそ悪いことをしたな…と思っていた。
だから、最初に交番に行かなかったことよりも
こうして「落ち」を見届けられたことが何よりよかった。

あきらめないこと、ダメでも次、次、と可能性のあるほうに向かって行くこと
そのことをまさに実行していたんだな、と振り返って思った。

そして、届けてくれた人の存在が有り難かった。
有り難かったこと、嬉しかったことこそ、
自分がその番になったらしよう、当たり前だけど…改めてそう思った。
誰かのためとか、何かのためとか、ということよりも
その番が回って来た「自分」として。

一段落ついて、ランチの後、もう一度大崎に向かった。
落語は終わったが、落語家さんの絵手紙展をやっていたからだ。
会場に行くと、もうそこには落語家さんの姿はなかった。

が、不思議なものです。

振り返ると、通路を山吹色の羽織を来た落語家さんがこちらを向いて歩いているではないですか!
会釈すると、こちらに向かって来てくださった。
お顔を見てご挨拶をして、少しお話もすることができた。

ほー! こんな「落ち」もあったとは!!!!!

ちゃんと覚えていてくださって嬉しかった。
「覚えている」、これが何より喜ばれるマナーかもしれない。

長くなりましたが、いろんなことがあった一日でした。
Yさん、ありがとう! また会いましょうね☆
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